vol.9 〜ミツケタ〜
2005年10月28日(金)~31日(月)
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挨 拶
私が小さい頃に小さな花を見ておばあちゃんが「綺麗だね 綺麗だね」と言っていた。なんであんなに感動できるのかその頃は不思議でした。見ている物が違うのかとさえ感じた。同じ花なのに、お婆ちゃんとは何かが違う…。今、お婆ちゃんのように花を見ることができるように…そういれるようにと、切に願います。
今回の題材は、歴史的「建物」そのものを書こうと決めていました。初めて有鄰館で公演をしたのは一昨年前の事。その時、この建物達に圧倒されました。この言いようのない感じが伝える言葉が見つからないのです。ここに生きてきた人々の空気がある…というのか、「アタタカイ」という感じに似てる…でもピンと張りつめる冷たさもあり。容易くかっこつけてもすぐに見抜かれてしまうような…やはり、まだはっきりとした言葉には出来ないようですがこの感覚、この感じを書こうと決めていました。
今回の作品は、お客様に多大にご協力いただきます。全てに感謝感激アメアラレとお祭り騒ぎで、今の一日と年を重ねる事を舞台で作りたいと考えています。「綺麗だね」と見ることが出来るように、見つけられるように、と。どうか是非、御参加ください。
この芝居は時間が1時間30分と少々長いのですが、心より楽しんでいただければと思います。
著:松川晃子
舞台風景
群馬公演では、歴史深き蔵での公演、東京公演ではコンクリートの壁面という全く正反対の場所で公演があったので、裸舞台に近いモノを考えました。宮城さんは群馬では太く黒づんでいる天井のはりに座り、東京ではイントレの足場に立ちました。
群馬公演について
群馬バージョン最終日を迎えることが出来ました。また、今回も歴史ある蔵には色々勉強させられました。古きモノというものは何とも強く勇ましい!
今回の群馬バージョンでは、蔵でやるということで、音楽を入れない空間を考えていたのですが、それがなんとも素敵な事になりました。
虫が鳴き、雨が屋根を叩き、風が壁をなでる。こんな空間で台詞を言える事がとても幸せでした。ただ、じっと雨の音を聞き、ただ虫と一緒に呼吸している。そんな場所でお芝居が出来るなんて…。古い柱に囲まれた舞台幅9m、奥行き22mの舞台空間を思い切り走ることが出来ました。歴史ある建物と一緒にいられたこと、また歴史の中、仕事をしていた沢山の職人さんたちと共に出来たこと、本当にいっぱいの力強さを感じました。今の私達がどんなに体当たっても、どしっとしているその空間に感謝します。
芝居の出来不出来はあったものの、3回の1時間30分はあっという間の夢のようでした。
いらっしゃったお客様の温かいご声援をいただき、また、私達の芝居にご参加くださったこと、本当にありがとうございました。
有鄰館演劇祭実行委員会の皆様、有鄰館の皆様、また、沢山の方々に支えられました。
本当に、本当に、ありがとうございました!!!
空気ノ機械ノ尾ッポ 一同
公演概要
2005年10月28日(金)~31日(月)
東京 西荻 WENZスタジオにて 東京バージョン
2005年10月7日(金)~9日(日)
群馬市桐生 有鄰館にて 群馬バージョン
作・演出 クウキノキカイ | |
出演 | 空気ノ機械ノ尾ッポ 原寿彦 / 松川晃子 / 平純一郎 / 滝友美 高橋清彦 / 今愛美 / 江川佳子 / 仲路末平 |
Stuff | 照明:池田圭子 / 宣伝美術:井手口智人 音楽:岩間 恵 / 音響:仙浪昌弥 舞台監督:岩間麻衣子 制作:空気ノ機械ノ尾ッポ |