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vol.17 ~遠くあり近くある偉大なモノ 2011~

マスコット

2011年5月19日(木)~22日(日)
ザムザ阿佐谷にて


一匹の猿。

その猿の頭に住む蚤たち。

猿は想像する。

蚤たちは創造する。

猿は果てしなく想像し続ける。

蚤たちは創造し続けていく。

              そんなお話。

空気ノ機械ノ尾ッポvol.17

~遠くあり近くある偉大なモノ 2011~

は、空気ノ機械ノ尾ッポ初の再演となります。

 


vol.17チラシ

挨 拶 

 

今回、初の再演を行います。

私の"やりたい"の一言から再演が決まりました。この一言でみんなが動いてくれました。自分で言ってはみたものの不思議な感じです。やると言い出した以上やるしかありません。前回よりも面白いモノを! 今回は戦いです。10年前の自分の体力、気力…、負けられません。この戦いに負けはありません。勝たねばなりません。10年間の培ったモノ、自分の使える全てのチカラを使って勝ちに行きます。そんな戦っている姿を見て笑っていただけたら、楽しんでいただけたら幸せ至極でございます。どうせ倒れるなら、前のめりに倒れます。

空気ノ機械ノ尾ッポ 原 寿彦

 

 

舞台風景

 

今回は、布だらけ

今まで衣装で使用した余り布や、舞台セットで使用した布を切り裂いて腕を使って編んだものと、インド綿のシーツです。

昔の芝居小屋の雰囲気を出せたらと作りました。

もう一つ、大きく違うのはザムザ阿佐谷の舞台と客席が真逆だった事です。この美しい雛壇は、本来お客様の座る座席に使用されています。段差は40cm。結構な急勾配です。今回は、お客様には舞台で使用する平台の上に段ボールを敷き詰め、座布団を敷き座っていただきました。

 

↓最後の猫です。もっと全体を捕らえた写真をお見せしたいところですが、お客様の頭上いっぱいに…というか、劇場の天井いっぱいの大きな猫です。 


 

 

参考資料作品について

 

この余震の続く中、まだまだ不安な状況が続いている中、本日はご来場くださいまして、誠にありがとうございます。

私は石川県金沢の生まれで、地震は全く受け付けません。震度1でも大騒ぎしてしまうほどです。最近はようやく慣れはじめ震度3まではなんとか黙っていられるくらいにはなりました。

今回の稽古の始まる3月下旬。まだ余震の続く中、「5月公演をやるべきか否か」話し合いました。お客様が演劇を楽しめる状態だろうか、楽しめない状況での公演は公演をうつ側の自己満足じゃないかなど、話は次第に「なぜ空気ノ機械ノ尾ッポの活動をさせるのか」という問いになっていきます。話はややこしくなるので割愛しますが…。私たち、空気ノ機械ノ尾ッポは、「楽しむチカラ」になろうと考えました。…なんていうとかっこよさげですが…。晩春になり日差しも暖かく、鳥たちはなんの変わりもなくそこで囀る。私たちの周りには地震の前から変わらず、チカラを与えてくれる沢山のモノ達がいてくれます。その沢山のモノ達の一つに、空気ノ機械ノ尾ッポがなれたら…と考えます。稽古中、地震のあるたびに、「いったい、何をしているんだ」と問われているようで、その問いに毎度毎回心に刻みます。

空気ノ機械ノ尾ッポ、全身全霊で皆様の「楽しむチカラ」になれるよう努めて参りたいと思います。ホンのひととき、一緒に楽しんでいただければと思います。

今回の作品は、1998年の作品に、少々手直しを入れました。再演が決定してから以前のままの台本でいけるのかしら?と、1998年の台本を手にしました。読み返してみると当時の「若さ」や、その「時代」が見えてきます。やはり13年の時というものは色々あったんだなぁと感じさせてくれます。顔から火がでるかと思うようなシーンもありました。これまで「自分が成長している」という実感はありませんでしたが、こうやって改めて以前の台本を捲ってみると思い知らされます。

また13年前のメンバーと今のメンバーとの違いも見えてきます。同じような年頃だというのにです。なんとも面白い物です。それが「時代」というものなのでしょうか…。以前の台本でやると、とてもじゃないけど嘘臭くなんとも悲しい物語になってしまうでしょう。というわけで、このメンバーに併せて、また空気ノ機械ノ尾ッポと私自身の成長にも併せて少々手直しを入れました。

この作品はオムニバス的要素をいれたものです。短編作品がいくつか入れ込んであります。空気ノ機械ノ尾ッポの総集編かと思うほど、以前の作品を入れ込んであります。その内容の中に1993年に書いたものをそっと忍ばせました。一言一句変えていないのですが、今の所、座長にも気づかれてません。どうやら時代や年齢に左右されることなく私の興味の根本は変わっていないようです。そして、その欲求に変わりがないのかと今日、観念しました。

あれれ、なんだか話が真面目そう…。

いえいえ、お話は、猿と猿の頭についた蚤の話です。13年前の29歳の私が作りました。なんとも可愛らしい発想ですなと13年後の私は他人事のように思います。

最後になりますが、東北地方太平洋沖地震により被害を受けられました皆様に心からお見舞い申し上げます。一日も早く復旧をされますよう、お祈り申し上げます。

ホンノ小さなチカラかも知れませんが、今、空気ノ機械ノ尾ッポの出来ることを精一杯やらせていただきます。

著・松川晃子

 


 

 

公演概要 

2011年5月19日(木)~22日(日)
ザムザ阿佐谷にて

作・演出 空気ノ機械ノ尾ッポ
出演 空気ノ機械ノ尾ッポ

高橋清彦(CLEO) /滝 友美 / 米澤成美 / 田中宏明(ロア・プロダクション)/ FANTA(ももいろぞうさん)/ 小山春奈 / 岡崎良彦

Stuff  照明:池田圭子 / 宣伝美術:井手口智人

音楽:高橋清彦 / 音響:仙浪昌弥

舞台監督:大友圭一郎 / 松澤紀昭

制作:空気ノ機械ノ尾ッポ